自毛植毛とは?
自毛植毛とは、自身の後頭部などの髪を採取し、薄毛部分に移植する植毛方法の一種です。
植毛方法には、大きくわけて自毛植毛と人工毛植毛の2つにわかれますが、拒絶反応を起こす可能性のある人工毛に比べ、自分の毛を移植する自毛植毛は安全性が高いところが特徴です。
また、自分の毛を移植すると、植毛部位に定着し、新たな髪の毛として成長させることが可能であり、見た目の自然さはもちろん、手入れの手軽さも魅力のひとつとなっています。
自毛植毛の歴史
薄毛の治療に皮膚移植が提案され始めたのは、今から200年以上前の1800年代の頃です。
以降、いろいろな手術方法が開発され、日本でも奥田庄二医師などが自毛植毛の研究に携わってきましたが、戦争によってその技術は日の目を見ることができませんでした。
その後、1959年に米国のノーマン・オレントライヒ医師が奥田医師の研究を発展。現在の自毛植毛の原点となるパンチ・グラフト法を開発しました。
以降、自毛植毛の技術はめざましい発展を遂げ、より自然な植毛を行うミニ・グラフト法やマイクロ・グラフト法、FUTなど、現在ではさまざまな自毛植毛法が考案され、実用化されています。
自毛植毛の現状
自毛植毛は現在でも進化の一途をたどっており、世界中から専門医が集まる『国際毛髪外科学会』において、いろいろな術式が考案されています。
自毛植毛は、植毛の精度はもちろん、患者への負担が軽減される方法が重視されており、頭部に傷が残ったり、密度が低いなどの不自然さを解消するための方法が常に模索されています。
現在の自毛植毛法には、レーザー植毛や自動植毛機など、さまざまな方法が考案されていますが、仕上がりの自然さと密度を考慮すると、手作業による株分けと植毛に勝る方法はないと結論づけられています。
そのため、結果を重視する米国では手作業による植毛に熟達したスタッフの養成に力を注いでいます。
この傾向は日本にも広がっており、クリニックの設備の充実さの他に、医師やスタッフのクオリティの高さが求められるようになっています。